職人起業独立の必要な準備の3点セット
その1!起業独立をするうえで大切なのは心得といったマインドが重要
起業や独立をするというのは、人生を大きく変える一大決心。建設業界での先輩などの独立することの多い意業界の職人にとっても不安はあるはずです。しかしながら多くの職人は自分の夢をかなえるために起業や独立をするかと思います。
そこで起業をするうえで事業計画や資金などがもちろん大切ですが、自分のメンタルをコントロールすることも非常に大切な成功する条件と言えるでしょう。
具体的な成功するために必要なメンタルの5つの条件は!
①積極的に自分から動く➡一般的に起業をした会社の1年後には37%が倒産するというデータがあり、会社を継続するというのは一筋縄ではいきませんが、比較的に建設業界の倒産率は低水準で推移しています。推移していますが、けして安心するのではなく、自ら積極的に動いて仕事の獲得や人間関係の構築をしていく必要があることは間違いありません。今までの会社員であれば何もしていなくても給料が発生して、仕事も会社から与えられます。しかし起業独立をすると座っているだけでは給料が発生しません。
②周りとのつながりを大切にする➡どんな仕事でも一人ですることはできません。「会社勤めが嫌で一人で仕事がしたい」と思っても本当に一人で仕事をすることはほとんどできないでしょう。取引先・同僚・家族の理解など一人で仕事をしようとしても必ず誰かと関りを持つことになります。そのため、周りのつながりを大切にすることが必要です。つながりを大切にすれば、困った時に助けてもらえる可能性がありますし、場合によっては仕事が舞い込んでくることもあります。逆につながりを大切にしないと、周りから助けてもらえず自分自身が追い込まれることになります。人脈は何よりの宝という言葉があるように、周りの人を大切にすることは仕事の上でも、人間としても大切な能力です。起業という荒波を乗り越えるためには、必ず周りの人を大切にするようにしましょう。
③時間管理をする➡時間管理をするというのは昔から大切と言われていると思いますが、起業をするうえで大切な心得の一つです。一言で時間管理といってもさまざまな種類があります。集合時間、納期、仕事時間などがあり、どれも大切な時間です。例えば納期が遅れる人と仕事をしたいと思いますか?納期を守れない人とは信頼関係が結べないため仕事を一緒にしたくないというのが本音かと思います。特に起業したてのころに、信頼関係を失ってしまうとその後の事業計画に大きな影響を及ぼします。また仕事時間の管理も大切な項目の一つ。会社員ではないため、24時間働いてもだれも止めることはありません。しかし無理な働き方をして体を壊してしまったら本末転倒。自分で働く時間管理をすることを心がけていきましょう。
④身の丈に合った働き方をする➡起業をしたばかりの時は、自分のキャパを超えて仕事を受注してしまうこともあることでしょう。建設業界では朝、昼、夜と需要もあるため、身の丈にあった仕事の受注をしないと24時間働くことになってしまいます。また、自分ではこなすことができないレベルの不可能な案件を受けてしまうと、結果として相手方にも迷惑がかかります。自分の身の丈に合った仕事を受けるようにしていきましょう。
⑤情報の取捨選択をしっかりする➡情報は現代社会にとって非常に大切なものです。いち早く情報をキャッチして対応をすることで、企業の業績を伸ばしていくことが可能です。情報は「インターネット」と「人から聞く」ことによって得ることが多いと思います。しかしすべての情報を鵜吞みにすることはやめましょう。正確な情報を自分で取捨選択をせず、そのまま聞いてしまうと誤った情報をつかむ可能性があります。自分の意見をしっかりと持ち、情報の取捨選択をしていきましょう。起業は自分の心得一つで大きく変わっていきます。その変化が「いい方向」に変わるようにしっかりと伝えたことを心得ていきましょう
その2!開業後の集客はどうするの?
起業独立というのは不安が大きいのは確かですが、それ以上に実際に起業独立をしてしまえば、未来の夢見る状況を描いて、その状況を楽しみにしている方が多いかと思います。
反対に言えば、このような未来を描けず起業独立を躊躇し、不安に押し潰されそうであれば、まだ、職人としての技術不足を懸念して踏み切れないのか、残念ながら起業や独立に向いていないのかもしれません。起業独立には、考えてばかりで勉強して頭でっかちになるだけでなく、起業独立には思い切りも必要かと思います。私の場合は心配や不安より、起業したい思いが強かったため起業しました。
さらに言うと、起業をするのがゴールではなく、ここからがスタートとなります。スタート直後からどのようなことをすれば良いのかが今後の課題となります。
そこで起業独立をしてまず考えることは「どうやって顧客を呼び込むか」という点です。
多くの職人一人親方は、前会社からの仕事の受注からがスタートラインなのではないでしょうか?独立し一人親方になり、前会社からの受注で今までの給料よりは1.5倍以上の収入が増えたのではないでしょうか?
しかしながら、このような現状に満足はできないはずだし危機感も必要です。会社から守られていた会社従業員ではありません。会社の経営が傾くようなことがあれば、職人一人親方に対して、真っ先に仕事の発注はなくなることでしょう。
ですから、当然に何もしなければ仕事は舞い込んでこないことの自覚は必要です。そのため、いろいろな仕掛けをする必要があるのではないでしょうか。これを…マーケティングと言います。マーケティング、つまりは、仕掛けを行っていき顧客を呼び込むことで収入を得えるといった経営者として集客の準備が必要となります。
起業独立後は何かをしないと集客をすることはできません。ただ待っているだけでは利益がたつことはないでしょう。
まずは一人でも多くの方に自社のことを認知してもらい、一歩ずつ集客を図っていく今後となるでしょう。
では起業独立後に集客をする3つの実践方法とは!?
1.既存の人脈を使い営業をかける➡人脈は何よりの宝です。もしあなたが今サラリーマンで今後職人一人親方開業したいと考えている場合は、人脈を広げておくことをおすすめします。家族・友人・サラリーマン時代の仕事関係の人に連絡を取り、集客をする方法です。
2.SNSを活用する➡SNSを活用することで自社の情報を発信することができます。特に開業当初は自社のことを知っている人は誰もいません。そのため自ら情報を発信していきアピールしていくことが集客につながっていきます。代表的なSNSとしては、Facebook、Instagram、Twitterがあります。どのSNSも特徴があるため、用途に合わせて使い分けていきましょう。
・Facebook…実名登録。年齢層高め(40代以降が多い)
・Instagram…写真がメイン。年齢が若い(10代~20代)工事前と工事後の写真を載せると効果的
・Twitter…拡散力が高い。年齢層は20代~40代前半。影響力が高いため、企業の宣伝になりやすい
起業独立後は実績が0です。0を1にするだけでも企業の信用度・印象が全く違う物になります。開業後の第一歩として身近な人に声をかけて集客を図りましょう。
3.HPを作成する➡現代社会においてWebを有効活用して集客をすることが求められています。Webを有効活用すれば、全世界に自分の情報を発信することができ、多くの人の目に留まることになります。現代はほとんどの企業が名刺代わりと言っていいほど、HPを持っています。HPを持つメリットとして以下の3つがあげられます。
1.企業の信用度があがる…顧客が「どんな会社だろう?」と興味を持ち調べた際に、HPがないと企業への不信感が募る時代。
2.実績をわかりやすく表現でき、営業しやすい…ポートフォリオ的な使い方をすることが可能です。新規顧客に対して自社の実績を簡単に伝えることができます。
3.費用対効果が高い…HPは現在安価で作れます。しかも1度作成をすれば大きなメンテナンスは必要ないため、費用対効果が高いといえるでしょう。
HPは集客をする上でも営業をする上でも大切な武器となるため、作成をすることをおすすめします。
開業後は積極的に仕掛けていこう!
開業後は何かをしないと集客をすることはできません。ただ待っているだけでは利益がたつことはないでしょう。まずは一人でも多く自社のことを認知してもらい、一歩ずつ集客を図っていきましょう。
その3!思い切って会社法人で開業して信頼を勝ち取る
起業独立にはとても勇気もいるし、不安もあるかと思います。最善の準備ができるのであれば個人事業主としてのスタートではなく会社として法人としてスタートすることもとても考えるべき一つの手と言えます。
私の知る改修工事全般を主要業務とする職人が、独立直後に株式会社を立上げ、建設業許可も取得して開業直後に800万円以上を受注した職人、いや社長がいます。このように起業独立後に法人化してより一層の信頼を獲得することになり飛躍することもできます。
そこで、今一度分かりやすく整理しますと、会社を設立するといっても「個人事業主として開業する」方法と「法人として開業する」方法の2種類があると考える職人も多いのではないでしょうか。会社を設立するという意味では同じですが手続き上は全く違うため、自分が設立する会社の事業規模を考えて個人事業主として設立するか、法人として設立するかを考えましょう。
個人事業主は紙1枚出すだけで手続き完了!
個人事業主の手続きは非常に簡単。開業届を税務署に1枚提出をするだけで手続きは完了します。開業自体にお金はかからず、必須項目さえ記入をしておけば、すぐに受理をされるため「これだけで終わり?」と思う方も多いかと思います。
紙1枚提出するだけで申請が完了し、インターネット上からのダウンロードからも作成することができるので、それを入力出力して持っていけばすぐに開業手続きが完了します。税務署や国税庁のHPから入手することができますので、書き終えたら最寄りの税務署に開業届を提出しましょう。
開業届を出すタイミングは?
開業届はいつでも出すことができます。出すタイミングとしては「会社を設立すると決めてから1か月以内など」といわれていますが、出さなくても罰則はありません。ただし開業届を出さないと以下の受けられない制度もあるため、早めに出すことは必要かと思います。
1.青色申告で確定申告ができる(開業届と青色申告承認申請書が必要)
2.屋号で口座を作れる
3.小規模企業共済に加入できる
特に開業後の1の青色申告での確定申告はとても重要です。青色申告とは税制上の大きな控除を受けることができ、所得税や住民税などの納付額を減額する効果があります。
ただし、税務署へ開業届だけでなく、青色申告は青色申告承認申請書を出す必要があり、開業届と同じタイミングに出しましょう。とてもこの控除は魅力があるため、とりあえずでもよいので検討して提出をすることをおすすめします。
株式会社の手続き方法は…会社の基本的な概要を決めていく?
法人会社設立は個人事業主の開業手続きより、当然に難易度は上ります。法務局での手続きはもちろんのこと、税務署や年金事務所など手続きする場所は、個人事業主としての開業とは大違いです。
以下が主な会社設立の必要な手続き。
2、法務局…会社登記申請を行なうことで、会社の安全性を公示することになります。
3、各行政窓口へ会社設立届を提出…税務署や年金事務所、労働基準監督署、ハローワーク、健康保険組合、都道府県・市町村税事務所で具体的な会社運営に必要な手続きを順次行う。
4、法人口座の開設…金融機関にて個人の資産と法人の資産を明確に分ける。
手続きとしては、会社の基本的な概要を決めて、会社登記簿に様々なことが記載され公示されます。当然に誤った内容を記入することなく、信頼がされるような適切な内容を記述していきましょう。
簡単に説明しましたが、それでも会社設立手続きは複雑です。専門家(税理士など)に相談するのがベストかとも思います。なお、建設業界での会社設立は、行政書士に相談すると建設業許可申請などを含めてとてもスムーズかと思います。
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