区分所有法上の持分割合の考えとは!?

マンションを維持管理する上で重要となる組合資金に、
清掃費や共用設備の保守維持費等に充当される管理費や
計画的に行う修繕や不測の事故による必要となる修繕費等に充当される修繕積立金があります。

これら管理費、修繕積立金等は、
当然に、区分所有者が管理組合へ納入しています。

その根拠は、区分所有法19条「各共有者は、規約に別段の定がない限りその持分に応じて、共用部分の負担に任じ、共用部分から生ずる利益を収取する。」と法律で定められていて、法律上でも負担は義務とされています。

規約に別段の定がない限り、所有する持分に応じて負担に任じるわけです。

この持分は、区分所有法14条1項「各共有者の持分は、その有する専有部分の床面積の割合による。」より専有部分の床面積の割合で決められて、その割合で負担に任じることになります。

では、
規約で定めれば、専有部分の床面積の割合に関係なく、
管理費等の負担を各区分所有者、一律の納入額にすることはできるのでしょうか?

答えは…
できます。

通常の共有とされる法律上の考えとして民法は、
民法第250条「各共有者の持分は、相等しいものと推定する。」とされ、
相等しい条件で権利義務が発生するのですが、

分譲されるマンションは、
専有部分の床面積の大小の差が大きく、その差が大きいため、
区分所有法により、専有部分の床面積の割合を基準とした負担が標準とされています。

ですから、規約に別段の定をすれば一律の納入額の負担の設定は可能ですし、

居住用の区分所有者と店舗用の区分所有者と、
専有部分の床面積が同じでも合理的等の範囲を逸脱するような状況がない限り
管理費等の負担に差を設ける規約は可能です。

しかしながら、
管理費等の負担を、共用部分の持分割合を基準とせず、
その組合ならではの算定基準を設けるには至難の業でもあります。

例えば、
負担割合については、
共用部分の設備等の使用頻度を基準に考える場合があります。

1階居住者はエレベーターを使用することはないのでエレベーター保守費は払う必要がない、
うちの家はほとんど外壁と面している部分が無いので外壁補修費は下げるべき、
といった使用頻度等を標準に基準として定めると、

理論的には公平かつ合理的に見えますが、
事実上、全ての共用部分の使用頻度を正確に算定することは難しく、
キリがない問題となってしまいます。

裁判所でも
このような使用頻度のによる負担割合での基準の決め方は公平と考えますが、
実際問題、ある程度の限度までは使用頻度を無視せざるをえないと考えています。

マンション標準管理規約の一応の考えも
使用頻度は勘案しないこととされています。

議決権の割合と敷地利用権の持分割合

議決権割合も管理費等の負担割合と同様に、区分所有法第38条により「各区分所有者の議決権は、規約に別段の定がない限り、第14条に定める割合による。」され、専有面積が極端に大小差がなければ、1住戸1議決権も可能となります。

つまり、
規約に定がなければ、区分所有法通り、
専有部分の床面積の割合により議決権が決められます。

では、マンションの各区分所有者の敷地利用権も区分所有法により、
専有部分の床面積の割合で決まるのでしょうか?

それは、違います。

敷地利用権についての持分割合の規定について直接的には、
区分所有法に定められていません。
当事者が契約で決めない限り、民法上の相等しい共有となります。

実際には、マンション分譲業者が、区分所有法第22条2項「前項本文の場合において、区分所有者が数個の専有部分を所有するときは、各専有部分に係る敷地利用権の割合は、第十四条第一項から第三項までに定める割合による。ただし、規約でこの割合と異なる割合が定められているときは、その割合による。」の規定により、専有部分の床面積の割合とされています。

ただし、分譲業者は、公正証書による規約でこの割合と異なる割合も定めることはできます。