反社会的勢力に対する裁判例等

反社会的勢力(いわゆる暴力団)に関わる
マンション裁判例等について以下のものがあります。

・区分所有者が反社会的勢力の事務所として使用しているため、
区分所有法59条の区分所有権等の競売請求をして認められた。
(札幌地判昭和61年2月18日)

・専有部分を区分所有者が反社会的勢力の長に賃貸した場合に、
区分所有法60条の請求(占有者が占有する専有部分の使用又は収益を
目的とする契約の解除及びその専有部分の引渡しを請求することができる。)をした場合に
弁明の機会(言い訳、理由)を占有者に与えればよく、
区分所有者には弁明の機会を与える必要はない。
(最ニ小判昭和62年7月17日)

等々、あります。

反社会的勢力の賃借人に対しては、
裁判所よりマンション内の平穏な生活、安全を著しく損なう事態が発生したと
認められ、区分所有者の共同の利益に著しく反することとなれば、

不法行為を肯定し、
区分所有権の競売の請求、占有者に対する引渡し請求の
各要件が認められることとなります。

ちなみに反社会的勢力(いわゆる暴力団)とは、
「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」より
暴力団が、組織実態を隠蔽したもので、

暴力団、暴力団関係企業、総会屋、社会運動標ぼうゴロ、
政治活動標ぼうゴロ、特殊知能暴力集団等といった
属性要件をもつ行為要件を満たす集団とされています。

暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人を指します。

管理組合は反社会的勢力の排除の立場を明確にする

管理組合が上記定義する
反社会的勢力に対して対抗するには、
管理規約において暴力団員立入禁止・使用禁止請求を明確に定める準備が必要となります。

マンション標準管理規約でも
専有部分の貸与に関して、
反社会的勢力を排除するための措置が定められるようになっていますし、

区分所有者が反社会的勢力に対して賃貸借契約の解約権を行使しなくても、
管理組合が代理となり解約権を行使できるようになります。

反社会的勢力が区分所有者の場合は?

では、区分所有者が反社会的勢力の場合に
管理組合としてはどうすればよいのでしょうか?

管理規約に反社会的勢力関係者等の区分所有権の取得、入居の禁止等を
明記して抑止的効果を求めることはできますが、

日本国憲法では、
居住移転の自由があり、
自己の欲する所に住所または居所を定めることが保障されています。

たとえ、反社会的勢力の人間だからといってその自由を奪うことはできません。

しかし、管理組合として何もできないのかといえば
そうではないと思います。

例えば、暴力団組員の抗争が頻繁にマンション近隣であり、
同組織の人間と思われる者が相当の確実性をもって
マンションに出入りしている。

また、他の居住者に比べ、相当以上にマーナーが悪質で、
この問題に対して警察のサポートを受けている。

などのようなことがあれば、
区分所有法第6条「区分所有者は、建物の保存に有害な行為その他建物の管理又は使用に関し
区分所有者の共同の利益に反する行為をしてはならない。」を前提に、

法的対応を行い排除ができることも考えられます。